地元の人間からすると,ちょっと違う感じがします。その一つの「ずら」。甲州弁の「ずら」を,「~だ。」と使うとちょっと違います。標記の「山がきれいずら。」を「山がきれいだ。」と訳すのは間違いなんです。
これだと,ドカベンの「とのま」の使う「ずら」になってしまいます。同じ「ずら」でも,あれはまったく違う「ずら」です。
例えば,何か悪いことをしたとき「おまんがいけんずら!」と言われました。もともと荒っぽいことで名の通っている甲州弁ですが,語気の強い言葉です。
でも,これは「おまえがいけない!」と罪を断定するような厳しいだけの表現ではありません。
どちらかというと「おまえがいけなんだろ?」という感じなんです。どこか優しく諭すような,心の芯にある良心に問いかけるような愛情を含んだ感じとも思えます。
甲州弁の「ずら」は,このように,どちらかと言うと「~でしょ?」という感じに近い表現です。
「山がきれいずら。」は,「どう?山がきれいでしょ?」という感じの表現です。
甲府盆地の朝 |
「みんなも山梨大会に来てくれるずら。」 「行くさよお。」
「てっ,わりいじゃん。」 「いいさよお。」
「ふんじゃあ,気をつけて来ておくんなって。」
「未来100年の子どもたちのために,こぴっとやるじゃん!」