2013/02/27

合同研究大会

 2月26日(火)に,山梨県立美術館で,
山梨県造形教育研究会・山梨県造形教育連合の合同研究大会が行われました。

 小さな県の小さな研究大会。それにしても例年になく超少数精鋭な光景…。

 
 そもそも組織的には~
山梨県造形教育研究会=小・中学校
山梨県造形教育連合=幼稚園・保育園,小中学校,高等学校,大学,特別支援諸学校
という内容的にはとっても誇れるものです。

 「当日は校内行事や他の出張等が重なったから~。」
 「なかなか出張させてもらえないし,遠慮もあるから~。」
 
いろいろな理由があると思います。

 でも,この映像からも「造形教育の危機」が見えてきます。
ちょっと寂しい光景ですが,あえて掲載しました。
 

 さあ,全国&関ブロ山梨大会まで,1年と半年となりました。
ここからがスタート。この現実から歩き続けるしかありません。
 大丈夫,山梨の先生方は必ずやり遂げてくれます。

 でも,研究会では幼稚園の先生も含めて,造形教育の価値について
議論を交わすことができました。
 まさに「少数ながら精鋭なり」 中身はよいものでした。

 そして~

★すばらしかった!新田小学校6年生によるギャラリートーク

 大会の冒頭に,県立美術館の展示室へ移動。
まずは,この実践を参観することができました。

 甲府市立新田(しんでん)小学校は,県立美術館のそばの小学校です。
 6年生が美術館と連携して,主に総合的な学習の時間等を使って,
子どもたちがミニ学芸員となって2~3人のグループで
特定の作品の横に立っていて来館者を迎え,ギャラリートークを行うものです。

 子どもたちが一生懸命語る姿に思わず笑みが浮かんでしまいます。
作者や作品についての解説はもちろんですが,
なにより「この作品について私の感じたことを言います。」~これがいいですね。

 
 
 そして,用意してあった解説が終わった後,今度はこちらからいろいろ質問してみました。
子どもたちにとっては想定外(?)の質問ばかりでしたが,これがすごい!
 どの子どもの自分の考えをきちんと入れながらしっかり答えてくれるのです。

 きっと自分の担当する作品を何度も何度も見て,仲間と会話を重ねてきたんでしょう。
作品が自分のものになっていた~そんな感じなんです。

 山梨大会でも,この感じでみなさんをお迎えできないかな~?

By 鷹野 晃






 

2013/02/21

一点透視的!? 雪解けの校庭芸術。

 抜けるような青空。朝の校内巡視。

 先日降った雪解けの校庭をふと見ると,あれ?

 不思議な模様が現れていました!


まるで一点透視図法の補助線みたい?

消失点もおおよそあのあたりか…!

 校庭がキャンバスみたいです。

 よく見るとこんな模様もありました。

LPレコードみたい!
By 鷹野晃

2013/02/20

山梨からの富士

 山梨の冬は青空が広がっています。
そして,富士。

 甲府からだと手前の山並みがあって,頭だけが見える感じですが,
北へ移動して,振り向くと~こんな姿が見られます(!)。
富士はあまりに雄大で,離れてみてその壮大さに驚かされます。
 夕暮れ近く。高い山にはまだ陽が当たっています。

 自然の美しい瞬間。山梨はこんなところです。
By 鷹野 晃

2013/02/15

「うまい」「へた」がなくなる山梨の工夫

 
 図画工作や美術の授業では,「うまい」「へた」は関係ないんだよ!
 これは,真実です。でも,それを実際にどう実現させればいいのか~?
山梨でも,この大きな課題に挑みました。
 それが,これです。

 
   図画工作の時間にこの4枚のカード(上の4枚)を貼ります。
これは,図画工作ではぐくむ資質や能力を子どもにもわかる言葉にしたのもです。

  Ⅰ 造形への関心・意欲・態度→「進んでやって楽しもう!」
  Ⅱ 発想や構想の能力→「いろいろ考えよう!」
  Ⅲ 創造的な技能   →「ためそう!工夫しよう!」
  Ⅳ 鑑賞の能力     →「見つけよう!」

 その授業で必要なことは,写真のように吹き出しで補います。

 つまり,この授業は
“「面白い転がり方」について「スピード」「動き」「組み合わせ」を
試し,工夫する学習”というになるのです。

 このねらいを指導者と子どもたちとが共有したうえで活動に入ります。

 この4枚のカードを貼ると,子どもたちから
   「いっぱい考えたよ!」
    「いいこと思いついたよ!」
     「こんな工夫をしたよ!」
      「こんないいこと見つけたよ!」…
             みたいな言葉が出てきます。

  また,指導する先生からも
 「いろいろ考えているね!」
   「こんな工夫したんだ!すごいね!」
などの言葉が自然に交わされるようになります。

 いつの間にか,教室から「うまい」「へた」という言葉が消えてしまいました!

 子どもたちは,図画工作を学ぶ本来の意味を理解しながら,
何かを「つくりだす」喜びや自分のよさを見つけ出し味わっていきました。

 ~これらの工夫は,山梨県の甲州市立松里小学校
 (文部科学省や山梨県教育委員会の図画工作の研究指定校でした)で
実践されたものです。

 平成26年度の山梨大会では,その授業の実際を公開すべく準備を進めています。

 授業の始めに,先生がこのカードを黒板に貼っていくのですが,
子どもたちは,もうすっかり言葉を覚えていて,
自然にカードに書かれた言葉を声をそろえて読み上げてくれます。

 その姿がとても愛らしいです(!)

 
By 鷹野 晃



2013/02/14

今日の甲斐駒ヶ岳

 
 あいにくの曇り空ですが校庭の雪はすっかり溶けて「しるい(甲州弁)」状態です。
昨日の写真では,ちょっと雲がかかって見えなかった甲斐駒ヶ岳(2,967m)の紹介です。
 アップにしてみました。中央が山頂で,左側の峰は「摩利支天(まりしてん)」です。
 画面左の切れたあたりが仙水峠で,そこから見上げると,首を下から上にフルに動かさないと見えないくらいの大絶壁です。
 
 今は,白い雪山ですが,実は夏など雪がなくても花崗岩の岩肌で白く輝いている山です。
 
 この山は甲府からも見えて一目で「甲斐駒はあれ」と分かる形です。
 
 この独特の姿を見ると「あそこには何か別の世界がある」ときっと昔の人々も思っていただろうなあ,と想像したくなる魅力あふれる自然の造形です。
By 鷹野 晃


2013/02/13

鳳凰三山 雪景色。

 2月13日(水)。昨夜遅くから雪が降りました。
        朝には雪もやんで、今度は強めの北風。
               一瞬にして青空が広がりました。
誰もいない校庭。
 鳳凰三山(薬師岳・観音岳・地蔵岳)の雄姿。

 写真中央が地蔵岳(2,764m)。
 山頂をよ~く見ると、オベリスク(巨大な石の尖塔)が天を突き刺すように立っています!!

 春になると手前の桜がピンク色の帯になります。

 そしてそれが春の風で散って、今度は花弁が校庭をピンクで染めるんです。

 自然って、美しいですね。

 山梨の子どもたちは、こんな感じに山ばかりの360度のパノラマ角で、移り行く季節の絶景にぐるりと囲まれて豊かな感性をはぐくんでおります。
By 鷹野 晃


2013/02/11

美術による学び研究会in栃木

 2月9日(土)~10日(日),美術による学び研究会inとちぎが,宇都宮市で行われました。

 学び研は,その夜の懇親会がとても盛り上がります。
 私は,1日目に所用があり,この懇親会に滑り込みの参加でした。
 主催した青木先生から「締めの言葉」を突然仰せつかり,山梨では運動会や結婚式などでも普通に行われるおなじみの「万歳三唱」を行いました。
 「えっ,万歳三唱なんてやらないよお。」「いや,うちの県でもするよ。」と,こんなことでも盛り上がりました(!)そのノリで,この夜は3次会まで盛り上がりました~(!!)

 って,そんなことより中身を紹介しなければいけませんね!すいません。私が研究会そのものは2日目からの参加でした。
 宇都宮美術館学芸員伊藤伸子さんの発表は大変興味深かったです。学校にある美術作品を調査し,どんなものがどのような場所にどんな風に展示されているのか~その活用についての実践でした。「多くの作品は校長室などにある」。だから子どもの鑑賞対象として生かされていないとの指摘でした。ちょっとドキッとします。私の勤務した学校を振り返っても同様な実態がありました。とても新鮮な視点で,身近なよいものをもっと生かしていく取組の必要性を感じました。

 北海道の山崎先生の「街かど美術館」の実践もよかっったです。無理をせず続けれるようにすることが大切とのこと。重要な視点です。生徒の作品を街の方々が集まる場所に展示する取り組みです。地域の方々が作品展示を通じて中学生の良さを実感していく姿が感動的でした。

 また,美術の授業中の様子を紹介したVTRはすばらしかったです。机間指導をしながらの録画で,制作に取り組む生徒が先生に相談してきたり,ごく自然のやりとりに,彼らとの信頼関係がひしひしと伝わってきて…その自然の空気感がなんともいえずすばらしく思いました。


 会の終了が近づいた頃,PRタイムで平成26年度の全造連&関ブロ山梨大会の紹介を私からさせていただきました!
青木先生,そして栃木の皆様,さまざまな準備等大変だったと思います。でも,充実したすばらしい会をありがとうございました!
 
By 鷹野 晃

2013/02/10

11日の展示作業 延期のお知らせ

予定されていた、病院への絵の展示作業は都合により延期します。詳細は後日連絡します。

2013/02/09

緊急連絡!

 山造研+山造連のみなさま

 こんにちは。私,窪田,不覚にも発熱です。38度を超えました。
 国文祭課の前田さんもインフルエンザになり,スタッフ総崩れです。
 こういう時にピンチヒッターがいれば助かるのですが,いません。

 本日のプロ・プロは中止します。

 明後日の病院展示の作品交換は行う予定です。(私次第)

 すみません!
 
      2月 9日   城南中  窪田 眞敏

2013/02/06

山梨大学附属小冬季学習会に行ってきました!

 今日は,山梨でも朝から雪の予報。でも,甲府は雨でした。

 そのような中,山梨大学教育人間科学部附属小学校の「平成24年度冬季学習会」がありました。
 
 今日披露されました新しい研究主題は「豊かに共生することができる子どもの育成」です。
でも,驚いたのはサブテーマです。

「~自他の違いから,新しい価値を創り出す学びを通して~」なのです。

 なじみの言葉が並ぶこのサブテーマ。全教科(外国語活動も含む)で今後取り組んでいくものです。
     “てっ!これって,図画工作じゃん!(甲州弁)”
 

 今日は,いくつかの教科に加え,図画工作の授業も公開されました。3年造形遊びです。

 山梨大学からは,栗田真司教授,新野貴則准教授が参加。

 授業者の清水由紀子先生は,これまで「生活科」→「音楽科」と授業を公開してきました。すべての教科をもつ学級担任で,とにかくオールマイティな先生。日頃の学級経営を生かした指導の手腕はさすがです。子どもの心をがっちりつかんでいます。

 今回の公開は「図画工作科」。「なんか,図画工作が一番楽しいです!」とのこと。
 岡田副校長先生の素早い手配で実現した図工室後ろのカーテン(写真上)。その向こうに以前製作した「友だち」が隠してありました。子供たちもこの演出に期待が爆発! 大歓声です。さすがの導入です。
  
久しぶりの自分の作品との出会いに抱き合って喜んでます!




 

 
by鷹野 晃

2013/02/05

「病院プロジェクト」と「プロ・プロ」

 「第28回国民文化祭」参加企画を現在展開中です!

 こんにちは。
 図画工作科や中学校美術科での成果を作品の善し悪しで決めていないでしょうか? 子どもたちの育ちを意識した学習のあり方を考えて,学びを保障していくことが欠かせません。
 山造連はそんな先生たちの取組を応援します。

 現在,山梨県の8支部の児童・生徒作品展示を「病院プロジェクト」と「プロジェクター・プロジェクト(以下;プロ・プロ)」の2企画で行っています。

 「病院プロジェクト」は現在市立甲府病院と国立甲府病院で行っていますが,今後は富士吉田市立病院へと拡大していく予定です。

 「プロ・プロ」は児童・生徒の作品を,夜の街中でプロジェクターを使って建物の壁などに投影する取組です。この取組はこれまで山造研を中心に行われてきたものです。
 2月3日(日)には,大神宮祭で賑わう甲府の商店街で実施しました。
 また、今後は、2月8日(金)の18:00からJR甲府駅北口の県立図書館の正面のガラス壁に投影して実施します。翌日9日(土)は甲府市内の商店街「コリド(桜町)」の国道から3軒目の空き店舗のウィンドウをつかって行います。
 今回これらの取組は、山梨県で今年1年掛けて行われている富士の国やまなし国文祭の一環として,「まちなか美術館」と称して行われています。

 どちらも曜日指定ですが,毎月第2金曜日と土曜日に実施します。

市立甲府病院の展示

「ヨコヤマ」さんでの上映
 

 地道な活動ですが,子どもたちの元気が,社会に活気を与えてくれると信じています。

             2月5日   甲府市立城南中学校   窪田 眞敏
関連した過去の取組 山梨県造形教育研究会HP

2013/02/03

大分県に学ぶ③

 1月27日(日)午前中は,授業改善セミナーⅠです。大分県立美術館推進局主幹の木村典之先生の司会で,パネルディスカッション「鑑賞で楽しもう美術教育」でした。
 
パネラー次の3名の方です。
     ◎臼杵市立北中学校 永松芳恵先生
     ◎大分県立芸術会館 池田隆代先生 
     ◎しろひげNature Art Work Shop 鈴木  斉先生

★人と人との信頼のネットワークが美術教育を支えている!★

 永松先生は,体育館に本物の作品を展示した取組を中心に発表されました。警備員も24時間常駐。飾り付けも専門の方々が行ったとのことです。臼杵市でも本県と同じく,美術の専任教師が配置されない現状があり,そのなかでの取組であることもすばらしく思いました。
 日々の激務に加え,さまざまな連絡調整,計画づくり,場所の確保,日程確保…これはすごいパワーです。でも,その原動力はやはり「目の前の子供たちのために」というものでした。これは私たち教師の共通の願いですね。この崇高な思いが,心からの共感を呼びます。感動です。
 
 
 「管理職の理解が後押しになっている」とのこと。でも,これも管理職からの「信頼」があるからでしょう。日頃の先生の取組があっての非常に深い言葉に思いました。永松先生も大分の美術教育を支えている大切な柱のお一人でした。

 池田さんは,前日の美術鑑賞教育フォーラムを中心になって取り組んでこられた方です。「私は教員ではありませんから」とおっしゃっておりましたが,子供たちの成長を見る目はすばらしいものがありました。また気さくで誠実なお人柄からか,芸術会館とともに実践に取り組んだ,それぞれの学校の先生方とのつながりも深く,その信頼関係の中でさまざまな実践がされていることがわかり,心が動かされます。
 造形教育を愛する心,人と人とのつながり,結び付き~その根底にある子供たちへの深い愛情。
参加されている大分の先生方の自らを磨き力量を高めようとしてる姿に何か大切なものを教えていただいたきがしました。

 鈴木先生は,東京都で中学校美術の教師をずっとなさっていた方です。パネルディスカッションが始まる前にスライドショーに感動しました。生徒が屏風絵づくりに取り組み,文化祭の背景に飾られその前で合唱を披露する生徒たち。そして,卒業式の壇上にも。優しい音楽をバックに時系列に淡々と流れるスライド。子供たちがシャッターを押したという自然な画像には,子供たちが作品が仕上がっていくのと同時にどんどん成長していくような~そんなすてきな姿が映り込んでいます。
 
卒業式後に友だちと撮った笑顔のスナップ。ここで涙がぽろり。なんか,鈴木先生の気持ちとシンクロしてしまうような,そんな臨場感と感動が伝わってくるものでした。
 パネルディスカッションでのプレゼンも心に響く内容で,なんだか励まされます。さすが鈴木先生です。鈴木先生は山梨県の総合教育センターの講師で来県しています。来年もおいでいただけるとのことで,ぜひ山梨でもあの感動をお願いします!

 自分の仕事が美術の教師でよかった~そんな笑顔になれる内容の濃いパネルディスカッションでした。
By 鷹野 晃